誰かが暮らしていた場所が、私たちの住まいになるということ

土地売買契約の際、自己紹介をしつつ売主さんとお話しするなかで、ご家族がどんなふうにその家で過ごしてこられたのか、少しずつ伺うことができました。

誰にでも、どんな場所にでも、それぞれの物語があるということを思うとき、いつも感動させられます。

もともとアンティーク的なものが好みでしたし、家を新築するにあたっても、多少なりともその場所の記憶のようなものを残しつつ、新しい暮らしの場をつなげていきたいと考えていました。

売主さんとそうしたお話をするうちに、既存住宅の取り壊し前に伺い、お家にあるものを譲っていただけることに! 売買契約から数週間後、お片付けのタイミングに合わせて伺いました。

この時点ではまだ取引の最中であったことから、日程調整は双方の不動産屋さんを経由しています。私たちの場合は幸いにも特段のトラブルはありませんでしたが、売買の一切が完了するまでは、やはり直接的なやりとりは避けるほうがよいだろうと思います。

後日お家にお邪魔してみると、以前は喫茶店を営業されていたことから業務用の立派なコンロやテーブル、椅子などもあり、廃棄/取り壊してしまうのはもったいなさすぎました。とはいえそれらを受け入れられるほどの甲斐性はなく、食器やカトラリーなどをカバンいっぱいに分けていただきました。作業をしながら、そのお家での暮らしぶりや思い出などを伺うことができたのも楽しく、嬉しいことでした。

後日、庭に置かれていた敷石やレンガを運び出して「引き継ぎ」を終了。土地代金の支払い・所有権の移行に向け、準備を進めていきました。